1時間のうち40分以上息が止まっている!
いつまでも寒い日が続きますね。
今日は、睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)のお話をしますね。
当院では、以前よりSASに対する治療を行っております。SASは、なかなか自分では気づきにくい病気ですが、放っておくと心臓病や脳卒中などの怖い病気を引き起こすとされています。また糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病の発症にも深く関与していることから、当院ではそのような背景をお持ちな患者様には「いびき」の有無を聞き、「いびき」のきつい方には簡易検査で評価することをお勧めいたしております。
先日も生活習慣病の治療目的に来院された52歳の男性がおられましたが、お話をよく聞くと以前から家人に「いびき」を指摘され、昼間の眠気がきついとのことでしたので簡易検査を施行しました。
一晩だけ小さな機械を腕につけて検査をするのですが、なんと1時間に93回息が止まっていることが判明!1晩で計634回も息が止まっており、1回につき平均28秒(最大116秒)の無呼吸でしたので、換算すると、1時間のうち43分は息がとまり、たった17分しか息をしていないことが明らかとなりました。
今までも、数多くの患者様を診させて頂きましたが、せいぜい70回ぐらいが最大であり、ここまでの重症例は初めてで、正直びっくりしました。
その患者様は早速、CPAPと呼ばれる、圧力を 加えた空気を鼻から送り込み、気道の閉塞を取りのぞく装置を使用することで、劇的な症状の改善を認め、無呼吸も完全に消失させることができました。
このようにSASは自分が気付かないだけで、多くの方が持っているとされております。肥満型の男性に多いとされておりますが、やせている方や女性にも以外といることが最近になり報告されておりますので、もし心配な方は当院にご相談ください。現在では、一晩自宅で簡易検査を行うだけで、病気の有無が分かりますのでご安心にもつながると思いますよ。