こんな症例経験しました
興味深い症例をご紹介します。
75歳の女性の患者さまで、全身のしんどさがあると当院を受診されました。他院耳鼻科で耳下腺癌の手術をしたとのことでしたが、その際の胸部レントゲン検査・血液検査では異常なしでした。よってしばらく経過観察してもらっていましたが、咳症状が新たに出てきたとのことで当院再診。胸の聴診で異常を認めたため再度胸部レントゲン検査をとったところ、前回なかった胸水(肺のまわりにたまる水のことです)が出現していたため総合病院(耳鼻科で以前入院されていたところ)に紹介しました。
ここまではよくある経緯ですが、総合病院で明らかになったことが、胸水に加え、なんと心臓内に腫瘍があることが判明!すぐに心臓血管外科に紹介となったようです。耳下腺癌術後ということもあり、胸水は癌の転移の可能性を一番に考えていましたが、心臓内にもあらたな腫瘍が出現していたことには驚きでした。心臓内腫瘍はきわめてまれな症例で、僕も勤務医時代に数例経験した程度ですが、改めて様々な可能性が患者さまの体には起こりうることを改めて感じました。
ちなみにこの方も無事に手術を終了され回復に向かわれているようです。
当院では、これからも患者様のおからだの中で起こりうる可能性を判断し適切な加療を行っていけるようスタッフ一同頑張っていきたいと思っています。