糖尿病
Disease
糖尿病とは
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糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなる病気です。
糖尿病を患っている方は非常に多くいらっしゃいますが、初期段階では症状がほとんど現れません。
そのため、健康診断で血糖値や尿糖が高いと指摘されても、治療を受けないままにしている人もいます。
しかし、糖尿病になると持続的な高血糖が全身の血管や臓器に悪影響を及ぼします。
健康で長寿を迎えるためには、できるだけ早い段階で医療機関を受診し、糖尿病治療を始めることが大切です。
下記の症状がある方はと糖尿病の可能性があるかも?
- 健康診断で血糖値が高いと指摘された
- 常に喉が渇き、水を頻繁に摂る
- 尿の回数が増え、においも気になる
- 体重が急激に増減した
- 最近、疲れやすくなった
- 満腹感が得られず、食欲が増している
- 手足にしびれを感じる
- 足がむくむ
- 切り傷や他の皮膚の傷が治りにくい
- 視力が低下し、目がかすんでいる
- 時折、意識が混濁することがある
糖尿病の怖い合併症
糖尿病を放置すると、さまざまな合併症が生じます。
たとえば、神経に栄養を供給する毛細血管の損傷により、糖尿病性神経障害が発生します。手や足の感覚神経が機能不全となり、指先が痺れたり、痛みを感じにくくなります。
さらに進行すると、運動神経にも障害が現れ、筋肉の力が弱まったり、顔面神経の麻痺などが発生します。この末梢神経障害により、怪我ややけどが化膿し、壊疽が生じることがよくあります。
また、目の網膜にある細い血管が詰まったり出血したりすることで、視力が低下することがあります。適切な治療を受けない場合、失明のリスクも高まります。
さらに、腎臓内の毛細血管が損傷し、老廃物と必要な栄養素を適切に分離できなくなることがあります。
これにより、腎不全などが引き起こされ、人工透析が必要な状態になる可能性があります。定期的な治療を受けないと、これらの合併症が命にかかわる事態につながる可能性があります。
糖尿病の代表的な合併症
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
- 糖尿病神経障害
- 狭心症、心筋梗塞
- 脳梗塞
- 下肢の閉塞性動脈硬化症
- 認知症
- 歯周病
糖尿病の種類
1型糖尿病
膵臓にあるインスリンを産生する膵β細胞が自己免疫などの理由で破壊される疾患です。
肥満とは関係がなく、子供だけでなく大人でも発症することがあります。
このタイプでは、膵β細胞の損傷により体内でのインスリン産生ができなくなり、治療にはインスリン注射が必要です。
発症は急性で口渇、多飲多尿、体重減少、意識障害などの症状が伴うこともあり、初期は2型糖尿病と誤解されることもあります。
2型糖尿病
日本人の大半がこのタイプに該当します。
遺伝的な要因と生活習慣などの環境要因が影響します。インスリン分泌の低下とインスリンの効果低下が原因で、糖尿病になりやすい要因には家族内の糖尿病患者、肥満、過食、運動不足、ストレス、不規則な生活が挙げられます。
糖尿病にかかる可能性は遺伝子の有無や生活習慣によって変化し、完全に避けることは難しいです。
その他の糖尿病
その他の糖尿病には、膵臓や肝臓、内分泌などの他の病気に伴うもの、薬剤や感染症、遺伝子異常によるものなどがあります。
妊娠糖尿病
妊娠中に血糖値が上昇しやすくなる状態で、妊娠前に糖尿病がなかった人でも発症します。
妊娠中の血糖管理が重要で、母児に影響を及ぼす可能性があるため慎重なケアが必要です。
出産後も経過を定期的に確認し、将来的な糖尿病リスクに注意が必要です。
糖尿病の治療
糖尿病が発症すると、現在の医学では完治はできません。しかし、糖尿病自体は治癒できなくても、血糖値を正常範囲に保ち、生活習慣を改善することで糖尿病の合併症のリスクを大幅に軽減することが可能です。
血糖値を適正に保つためには、持続的な血糖コントロールが不可欠です。
まず、食事療法と運動療法を同時に実施します。これだけで、一部の場合には血糖値が基準値に近づくことがあります。
しかし、食事療法や運動療法だけでは効果が不十分な場合、薬物治療が必要となります。継続的な治療と生活習慣の見直しによって、糖尿病に伴う合併症のリスクを抑制することができます。