心筋梗塞
Disease
心筋梗塞とは
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心筋梗塞は、冠動脈が詰まり、心臓の筋肉に栄養が行き届かなくなり、筋肉が壊死する病態です。
特徴的な症状は胸が圧迫される感覚で、冷や汗と共に現れることがあります。
症状が出た時には既に発症しており、血栓が詰まって血管が閉塞しているため、症状が緩和されることもあれば、重篤な場合は死に至ることもあります。
不整脈を伴うとさらに危険ですが、高齢者や糖尿病患者は無自覚であることが多く、発見が遅れがちです。
狭心症も冠動脈が狭窄して血流が制限される状態で、冠動脈に75%以上の狭窄が起こると運動時に心筋梗塞に似た症状が出ます。
心筋梗塞は狭心症が進行したり、冠動脈が急に閉塞することで発症します。
症状が出てからではなく、早めの予防がとても重要です。
突然死をまねくこともある怖い病気
心不全やショック、特定の不整脈などを伴うと致命的となります。死亡率は40%で、そのうち70%は発作から1~2時間以内に亡くなる急性の病態です。日本において心臓病が病気別死亡順位の第2位である中、その大半は心筋梗塞によるものです。
心筋梗塞の主な原因
心筋梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化は年齢とともに進行しますが、不健康な食習慣や不足した運動などが続くと、血管内に「アテローム」と呼ばれるもろい粥状の物質が蓄積しやすくなり、血管内径を狭め、動脈硬化を進行させます。動脈硬化が進むと、アテロームを被覆している膜が破れ、血液成分が凝集して血栓が形成されます。この血栓が拡大し、心臓の血管を完全に閉塞すると、心筋梗塞が発生します。
動脈硬化を促進するリスク因子には、心臓に負担をかける「高血圧」、血液中の余分な脂質がアテロームの形成に関与する「高脂血症」、細い動脈の硬化を促進し、血液の凝固を引き起こす「糖尿病」などがあります。その他、肥満や不十分な運動、腎臓の機能不全なども危険因子です。
男性は女性よりもリスクが高く、さらに加齢に伴いリスクが増大します。生まれつきコレステロール値が高い人や、動脈硬化が進みやすい遺伝子を持つ人もいます。また、狭心症発作の経験がある人、糖尿病や痛風などの既往歴がある人も心筋梗塞にかかりやすい傾向があります。
心筋梗塞を防ぐために
心筋梗塞は発症すると死亡率が約40%と言われ、非常に深刻な病気です。ただし、心筋梗塞で入院した場合の院内死亡率は10%以下であり、発作から入院までの期間に亡くなることが多いです。救急車を呼ぶ、身近な人にAED(自動体外式除細動器)の使い方を教えることも重要ですが、最も重要なのは心筋梗塞の発症を防ぐことです。心筋梗塞は、狭心症の痛みを繰り返した後に発症することがよくあります。胸の痛みや圧迫感、腕・肩・首などの痛みを感じた場合は、お早めに受診することをおすすめします。