院長インタビュー
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INTERVIEW 1
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に取り組むようになったきっかけは?
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私が循環器内科を専門にしているという背景もありますが、睡眠と心臓の健康が密接に関わっていることは、日々の診療の中でも強く感じています。
高血圧や不整脈、心不全など、循環器疾患をお持ちの方の中には、実はご自身でも気づかないうちに睡眠時無呼吸症候群が隠れていることが少なくありません。夜、ちゃんと眠れていないと、いくらお薬を調整しても状態が安定しない。そういうケースを何度も経験してきました。
睡眠が乱れると、自律神経が不安定になり、血圧や心拍もコントロールしづらくなりますからね。もともと私は、「患者様が求めていることに、できる限り応えたい」というスタンスで診療しています。
だからこそ、心臓や血管の病気だけでなく、その根底にある“睡眠の質”にも目を向けたいと思うようになり、この分野に本格的に取り組むようになりました。
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INTERVIEW 2
どのような方が検査・治療の対象になりますか?
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「いびきが気になる」「朝起きても疲れが取れない」「日中の眠気がつらい」といった症状がある方はもちろんですが、無症状でも高血圧や心疾患がある方には、早めにチェックをおすすめしています。
特に、治療をしていても血圧がなかなか下がらない方、夜中に何度も目が覚める方は、睡眠時無呼吸が隠れていることが本当に多いです。
ご本人が「いびきなんて誰でもかく」と思っていても、実際には重度の無呼吸だったということもあります。
ですので、症状が軽くても、疑わしければまずは簡易検査からご提案しています。
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INTERVIEW 3
診療で心がけていることは?
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これは当クリニック全体の方針でもありますが、「すべては患者様のために」という気持ちを何より大切にしています。
検査や治療の押しつけにならないように、「なぜ必要か」「どんな選択肢があるか」を丁寧にお伝えして、患者様ご自身が納得して前に進めるようにしています。
無呼吸の治療は、CPAPやASVといった機器を使うことになりますが、「どんなふうに装着するのか」「続けられるのか」と不安を抱える方も多いです。
ですので、導入前にはマスクの試着や使い方の説明をじっくり時間をかけて行い、治療後も「使いっぱなし」にならないように、データを確認しながらサポートしています。
私自身、「町のお医者さん」としての役割も意識しているので、心臓だけではなく、全身を見ながら、生活やお悩みも含めて総合的に支えることを大事にしています。
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INTERVIEW 4
最後に、サイトをご覧の方へメッセージをお願いします。
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「いびきは恥ずかしいこと」と思って相談しそびれている方もいらっしゃいますが、睡眠時無呼吸は“病気”です。そして、しっかり治療すれば、日中の眠気も和らぎ、生活の質が上がり、将来的な病気のリスクも大きく減らせます。
私は、専門医であると同時に、地域のかかりつけ医としての責任を大切にしたいと思っています。
ですので、「眠れない」「疲れが取れない」といった、ほんの小さなサインも見逃さずに、気軽にご相談いただける窓口でありたいと考えています。症状があってもなくても、「ちょっと気になる」というだけでも構いません。
睡眠の質を見直すことは、人生の質を見直すことにもつながります。
どうぞお気軽にお越しください。