寝汗・寝苦しさと睡眠時無呼吸症候群の関連性
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寝汗・寝苦しさと睡眠時無呼吸症候群の関連性
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寝汗・寝苦しい・熟睡できない
「夜中に汗をかいて何度も目が覚める」「暑くもないのにシーツがびっしょり濡れる」「寝返りを打っても落ち着かず熟睡できない」──このような症状は単なる寝室環境のせいと思われがちですが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインであることがあります。
SASは睡眠中に呼吸が止まり、低酸素状態が繰り返される病気です。その際、体は強いストレス反応を示し、自律神経が乱れ、発汗や寝苦しさ、頻繁な覚醒につながります。
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なぜ寝汗・寝苦しさが起こるのか
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呼吸停止による酸素不足
無呼吸が続くと血中酸素が低下し、脳は「窒息を防がなければ」と交感神経を刺激します。
心拍数や血圧が上がり、汗腺が活発化するため大量の寝汗が出ます。深い眠りの妨害
本来なら深いノンレム睡眠で体が回復しますが、SASでは覚醒反応が繰り返され、浅い睡眠ばかりになります。そのため「寝たはずなのに休めない」状態に陥ります。
体温調節機能の乱れ
交感神経が過剰に働き続けると体温を下げられず、布団の中が暑苦しく感じられます。
典型的な症状の例
- 明け方にパジャマやシーツが汗で湿っている
- 夜中に何度も起きて水を飲む
- 「息が苦しそう」「寝苦しそう」と家族に指摘される
- エアコンを使っても寝苦しさが改善しない
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SASと寝汗の関係
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寝汗自体は珍しい現象ではありませんが、「毎晩続く」「熟睡感がない」といった場合には注意が必要です。
特にいびきや日中の強い眠気を伴う場合、SASの可能性が高まります。放置するとどうなる?
SASを放置すると、寝汗や寝苦しさだけでなく以下のリスクを引き起こします。
- 高血圧・動脈硬化
- 心筋梗塞や脳卒中
- 糖尿病の悪化
- 免疫機能の低下
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検査と治療
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検査
自宅での簡易検査や精密検査(ポリソムノグラフィー)により、呼吸停止や酸素低下の程度を調べます。
治療
CPAP療法、口腔内装置、生活習慣の改善により呼吸が安定すると、寝汗が減り、深い眠りが得られるようになります。