口呼吸と睡眠時無呼吸症候群の関連性
-
口呼吸と睡眠時無呼吸症候群の関連性
-
「朝起きると口がカラカラに乾いている」
「寝ている間に口が開いてしまう」
これらはSASに伴う典型的な症状です。気道が狭くなり鼻呼吸が困難になるため、無意識に口呼吸へと切り替わるのです。
-
なぜ口呼吸になるのか
-
気道の閉塞
SASでは舌や喉の筋肉が緩んで気道が狭くなり、鼻呼吸が難しくなります。
いびきとの関係
気道が振動していびきをかき、そのまま口呼吸になるケースもあります。
乾燥の影響
口呼吸が習慣化すると口腔内が乾き、虫歯・歯周病・咽頭炎などを起こしやすくなります。
典型的な症状
- 朝起きると口が渇いている
- のどの痛みや違和感がある
- 慢性的に口臭が気になる
- 歯や歯茎のトラブルが増える
-
睡眠時無呼吸症候群と口呼吸の危険性
-
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんの多くに共通してみられるのが「口呼吸」です。
夜間に無意識のうちに口を開けて呼吸する状態は、単に「口が乾く」「喉が痛い」といった不快症状だけでは済みません。
実は、口呼吸は 睡眠の質をさらに悪化させ、全身の健康に深刻な影響を及ぼす要因 となります。口呼吸がSASを悪化させる理由
口呼吸では気道の抵抗が増し、無呼吸や低呼吸が起こりやすくなります。
本来、鼻呼吸には以下のような機能があります。・空気を加湿・加温し、気道に優しい状態に整える
・フィルターとして花粉やほこりなどを除去する
・一酸化窒素(NO)の産生により血流や酸素利用を助けるこれらが働かない口呼吸では、冷たく乾燥した空気やアレルゲンが直接のどに入り、炎症を引き起こしやすくなり、結果として気道の狭窄やSASの悪化につながります。
いびきと無呼吸を助長する
口を開けて眠ると舌の付け根が下がり、気道を塞ぎやすくなります。
そのため いびきが大きくなり、無呼吸発作の回数や時間が増える ケースも少なくありません。これによって夜間の酸素不足が強まり、心臓や脳への負担が大きくなります。口腔内トラブルと全身への影響
口呼吸は睡眠中の唾液分泌を減少させ、口腔内の乾燥を悪化させます。結果として、以下のような問題が起こります。
・虫歯や歯周病のリスク増加
・口臭の悪化
・細菌繁殖による慢性的な炎症近年では、こうした口腔内の炎症が動脈硬化や心血管疾患にも関係することがわかってきています。つまり、口呼吸は口の中だけの問題ではなく、全身の健康にも直結するのです。
-
検査と治療
-
検査により呼吸状態を確認し、鼻呼吸の妨げとなる要因を調べます。
治療で気道が確保されると鼻呼吸がしやすくなり、口の乾燥や口腔トラブルが改善されます。