居眠り運転と睡眠時無呼吸症候群の関連性

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  • 自動車を運転する上で最も危険な行為のひとつが「居眠り運転」です。高速道路や深夜の運転だけでなく、日中の短時間の移動であっても、一瞬の眠気が重大な交通事故につながる可能性があります。実際に交通事故の原因として「居眠り」が占める割合は少なくなく、その背景に「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」が関与しているケースが近年注目されています。

    ここでは、居眠り運転と睡眠時無呼吸症候群の関係について詳しく解説します。

  • 自覚のないまま運転していませんか?

  • SASの怖い点は、「本人に自覚がないことが多い」という点です。いびきや無呼吸は家族から指摘されなければ分かりませんし、「よく寝ているのに昼間に眠い」ことを単なる疲れのせいにしてしまう方もいます。
    次のような症状がある方は注意が必要です。

    • 大きないびきをかく
    • 就寝中に呼吸が止まっていると指摘された
    • 日中に強い眠気や居眠りがある
    • 起床時に頭痛やだるさが残る
    • 高血圧や糖尿病、心疾患がある

    こうした症状に心当たりがある方は、早めに睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをおすすめします。

    SASを放置したまま運転を続ける危険性

    睡眠時無呼吸症候群は単なる「いびきの病気」ではありません。無呼吸により酸素不足が繰り返されることで、心臓や血管に負担がかかり、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などのリスクも高まります。さらに、強い日中の眠気による居眠り運転は、自分自身だけでなく他人の命をも奪う可能性があります。
    「眠気を我慢すれば大丈夫」と考えているうちに、取り返しのつかない事故を起こしてしまうこともあるのです。

  • 治療による居眠り運転リスクの改善

  • SASの代表的な治療法に「CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)」があります。就寝中に鼻マスクを装着し、気道に空気を送り込むことで無呼吸を防ぐ治療です。
    CPAP治療を継続すると、以下の効果が期待できます。

    • 夜間の無呼吸やいびきが大幅に改善する
    • 深い睡眠が得られるようになる
    • 日中の眠気が減り、仕事や運転の集中力が回復する
    • 交通事故リスクが健常者とほぼ同等にまで低下する

    実際に治療を受けた患者さんの中には、「以前は運転中に強い眠気に悩まされていたが、治療開始後は快適に運転できるようになった」と実感される方が多くいらっしゃいます。