いびきと睡眠時無呼吸症候群の関連性
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いびきと睡眠時無呼吸症候群の関連性
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多くの人が「いびき=単なる寝言や迷惑な音」と考えがちですが、実はいびきは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重要なサインであることがあります。
SASは睡眠中に呼吸が断続的に止まる病気で、放置すると生活の質の低下や心血管疾患、日中の強い眠気、居眠り運転など、さまざまなリスクにつながります。いびきとは
いびきは、睡眠中に舌やのどの筋肉が緩むことで気道が狭くなり、呼吸の際に空気が振動して発生する音です。
- 軽いいびき・・・寝相や疲れによって一時的に起こる
- 強いいびき・・・毎晩続き、呼吸が妨げられる可能性がある
いびき自体は珍しい現象ではありませんが、強いいびきや無呼吸を伴う場合は、睡眠の質が大きく低下している可能性があります。
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いびきとSASの関係
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睡眠時無呼吸症候群では、気道が部分的または完全に閉塞されることで呼吸が止まります(無呼吸・低呼吸)。その際に以下の現象が起こります。
気道閉塞による大きないびき
呼吸が止まる前後に、空気が狭くなった気道を通る際、大きな音(いびき)が発生します。
酸素不足と睡眠の断片化
無呼吸によって血中酸素が低下し、脳は呼吸を再開させるために目覚めに近い状態になります。この繰り返しにより、深い睡眠が得られなくなります。
日中の眠気や集中力低下
睡眠が断片化されることで、昼間に強い眠気や注意力低下が現れ、仕事や運転に支障をきたすことがあります。
つまり、いびきはSASの「目に見えるサイン」であり、特に大きいいびきや家族から指摘される呼吸停止は、医師による検査の重要な手がかりになります。
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いびきの種類と注意点
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単なるいびき
睡眠時無呼吸症候群では、気道が部分的または完全に閉塞されることで呼吸が止まります(無呼吸・低呼吸)。その際に以下の現象が起こります。
- 疲労や寝相、アルコール摂取により一時的に起こる
- 健康への影響は比較的少ない
SASが疑われるいびき
- 毎晩続く大きないびき
- 息が止まる(無呼吸)と指摘される
- 起床時に頭痛やだるさを感じる
- 日中に強い眠気や集中力低下がある
このような症状がある場合は、放置すると高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などのリスクも高まります。
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検査と治療
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検査
睡眠時無呼吸症候群の診断は、自宅で行える簡易検査や、入院して行う精密検査(ポリソムノグラフィー)があります。いびきや呼吸停止の有無、血中酸素の変動などを測定し、SASの重症度を評価します。
治療
SASの治療法には以下があります。
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法):就寝中に気道を広げるために空気を送る装置を装着
- 口腔内装置(マウスピース):軽症〜中等症のSASに有効
- 生活習慣改善:減量、禁酒、横向き寝
適切な治療によりいびきや無呼吸が改善され、睡眠の質が向上し、日中の眠気や健康リスクも軽減されます。